拝啓 あなた様。4
わたしはかの場所でアホになっていくという錯覚に見舞われつつあります。
これは、気が狂いそうなほどだと思ってください。
しかし、わたしがあなたに出会った時も
同じ幻想にとりつかれましたよね。
わたしは、アホになることがとてもいけないことだと思っていました。
しかし、アホになることがいけないなんていうルールを作ったのも、私なのです。
本当にアホになるのはいけないことなのか。
どう思われますか?
わたしは何も考えずに、かの場所で適当に頭に浮かんだことを、お喋りします。
それは、毎日わたしがやっている日常の行為と、何ら変わりがない自然なものです。
それが素晴らしいとも思いました。
ただ、今は、素晴らしいと称賛に値するわけではない。とも思います。
ふと、わたしは何かを失ったような、不思議な不安がうまれたのです。
それはなんだと、記憶をたどりましたが、日常に浮かれてしまいわかりません。
わたしはそもそも欠陥している部分が多いと自覚しているので、
それも一時的な得体のわからない衝動的な不安なのだと、その時は思いました。
わたしは道化です。
疲れるまで楽しくダンスを踊って飯を食うだけのものです。
そこにふとわきおこる不安など、
ダンスを踊って飯を食えば忘れてしまうほど。
ダンスを踊り飯を食うくらいしか能のない私に、
美しい舞を教えてくれたのは誰ですか?
あなたではないですか。
私に名前を与え、
私に舞を舞う場所を与え、
私に美しく舞うための努力をさせ、
そして自信を与えてくれたのは、
あなただったではないですか。
私はそんなことを忘れて、
また、道化になり疲れるまで楽しくダンスを踊って飯を食うだけになってしまうのですか。
私はそんなことを望んでいるわけではありません。
私はあなたと約束しましたよね。
たしか・・・
伝え続けようって。
今日はこの辺で。
近所のわるがきが、私の自転車に鍵をかけて、
その鍵をどこかに捨ててしまったようです。
まあ、私が鍵をかけずに放置したのがいけなかったのですが。
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